有名な話かどうかは定かではないが、昔ロンドンのパブで一杯呷りながらそこで知り合ったアッシーの友達に尋ねたことがある。なんでカンガルーをカンガルーというんだ~い?はっきり言ってどうでもいいような、いかにも酔っぱらいが聞きそうなことだが、どういうわけかちょっと気になっていたんだ。彼も呂律がうまく回らない感じでこう教えてくれた。

イギリスの探検家のクック大佐が1770年に船の修理でオーストラリアのクインズランドに立ち寄ったときのことだ。
原住民と探検しているところ、カンガルーが目の前を横切っていったそうな。こんな動物をそれまで見たことのないクック大佐は、原住民のアボリジニーになんて言うんだと尋ねたら、「カンガルー」と言われたらしい。それで、クック大佐がそれを日誌に書きて残し、これがきっかけで、英語でカンガルーというようになったらしいが、“カンガルー”というのは、実はそこに住む原住民の言葉では、“おれは分からない”という意味だとさ。

本当にそうなら、クック大佐もいい面の皮だったなと、つい笑いたくなったが、相手が話しながらニヤッと笑ったのを見逃さなかった。なんか胡散臭いな~と、もうろうとしている頭の中で考えただろうね。

後で聴いてみたら、この話は、話としてはおもしろいが、割りと最近に出来たもので、まったく信憑性がない。
どうやら、この言葉は、現在のクインズランド・Cookstownの地域に住んでいた原住民の言葉-Guugu Yimidhirr (グーグ・イミディル語)のkangur(r)uから来ているらしい。でもここから話がおもしろくなる。

このkangur(r)uとは黒色や灰色の大柄のカンガルーを指しているのに、クック大佐と一緒にいた生物学者のバンクス氏もその後から来たイギリス人も、カンガルー全般をこう呼ぶと思っていたようだ。ところが、オーストラリアはアメリカ同様、原住民の部族や言葉が数多くあって、お互い言葉が通じないことも多い。ボタニー・ベーの地域に住んでいた原住民がこの言葉をイギリス人から聞いたときは、知らないわけだから、英語で食用の動物という言葉を教わっていると思ったらしく、英国の船から降ろされている牛を初めて見たとき、「あれもカンガルーか」と聞いたんだって!

更に、後にヨーロッパ人がダーリング川に住み始めたら、そこに住む原住民が初めて見た「馬」にカンガルーと名付けて、自分たちの言葉にまで取り入れた!

本当かな??怪しいなぁ。眉唾物じゃないの?
まぁ、あまり“カンガルー”のことを深く“勘ぐる”なということかもな...

コショー
Copyright Rex C. Jones